はじめに
開発が順調に進んでいた矢先、突然ジェンスパーク(Genspark)のチャットが固まる。何度リロードしても、エラーメッセージしか返ってこない。そして気づくと、数時間かけて作り上げた作業記録が全て消えている...
これは私が占いサイト開発で実際に経験した悪夢です。前回の記事では、AIが生成するコードのバグ問題を取り上げました。今回は、ジェンスパークのチャット自体が抱える「固まる」「ループする」問題と、そこから身を守る実践的な対策をご紹介します。
AIチャットが固まる・ループする現象とは
ジェンスパーク(Genspark)との対話中に、以下のような問題が発生することがあります:
よくある症状
1. 完全フリーズ
- レスポンスが一切返ってこない
- 読み込みアイコンが永遠に回り続ける
- ページをリロードしても回復しない
2. エラーループ
- 同じエラーメッセージが繰り返し表示される
- 「再試行してください」と言われるが、何度試してもエラー
- 別の質問をしても、同じエラーが返る
3. 無意味な繰り返し
- 同じ回答を延々と繰り返す
- 指示を無視して、関係ない内容を出力し続ける
- 会話の文脈を完全に見失う
4. セッション切断
- 突然「セッションが切れました」と表示
- ページをリロードすると、チャット履歴が消失
- 作業中のコードや設定が全て失われる
実体験1: 4時間の作業が一瞬で消えた日
占いサイトの開発3日目、OAuth認証の実装に丸一日取り組んでいました。
その日のタイムライン
午後2時:Twitter API連携のコード実装開始
午後6時:やっと動作確認成功!作業記録をまとめ始める
午後6時15分:突然ジェンスパーク(Genspark)が固まる
症状
- 「応答を生成中...」のまま10分経過
- ページリロードを試みる → 「セッションエラー」
- チャット履歴を開く → 過去4時間の会話が全て消失
失ったもの
- OAuth認証の実装手順
- 解決した問題点のメモ
- 次のタスクリスト
- 重要な決定事項の記録
この時、GenSpark AI Driveに作業記録を保存していなかったため、翌日また同じ問題を調査し直す羽目になりました。
実体験2: エラーループからの脱出不能
別の日、データベース設計を相談していた時のことです。
私:「記事テーブルのカラム設計を提案してください」
ジェンスパーク(Genspark):エラー: 応答を生成できません。再試行してください
私:「記事テーブルの設計をお願いします」(表現を変えて再度依頼)
ジェンスパーク:エラー: 応答を生成できません。再試行してください
何度質問を変えても、同じエラーが返ってきます。
試したこと
- ページリロード → 効果なし
- ブラウザキャッシュクリア → 効果なし
- 別のブラウザで試す → 同じエラー
- 翌日アクセス → やっと回復
この間、約6時間そのチャット画面が使用不能でした。
なぜジェンスパーク(Genspark)は固まるのか?技術的背景
AIチャットが固まる主な原因:
1. サーバー側の問題
- AIサービスのサーバー過負荷
- メンテナンス時間帯
- 一時的なネットワーク障害
2. コンテキスト処理の限界
- チャット履歴が長すぎて処理できない
- 複雑すぎる依頼で計算リソースが枯渇
- メモリ不足によるクラッシュ
3. セッション管理の問題
- 長時間の接続でトークンが期限切れ
- ブラウザとサーバーの同期ずれ
- 複数タブでの同時アクセス
4. 無限ループの発生
- AI自身が論理的な矛盾に陥る
- 自己参照的な質問への対応失敗
- 回答生成プロセスの異常終了
データ消失を防ぐ:AI Drive活用戦略
この問題の最善の対策は、AI Driveへの定期的なバックアップです。
基本戦略:「作業したらすぐ保存」
推奨バックアップタイミング
- ✅ 重要な決定をした直後
- ✅ コードの大きな修正を完了した直後
- ✅ 問題を解決した直後
- ✅ 1時間ごと(長時間作業の場合)
- ✅ チャット画面を閉じる前
実践的な保存フロー
ステップ1: 作業記録テンプレート
作業中に以下のような記録を作成:
# 作業記録 - 2025-12-05
## 今日の作業内容
- Twitter API OAuth 1.0a認証の実装
- media_data署名問題の解決
- 環境変数の設定完了
## 解決した問題
### 問題1: 401エラーが継続
- 原因: media_dataパラメータが署名に含まれていなかった
- 解決策: 署名生成時にmedia_dataを追加
- 参考: https://developer.twitter.com/en/docs/authentication/oauth-1-0a
## 重要な決定事項
- 環境変数は.envファイルで管理
- APIキーはCloudflare Secretsに保存
- エラーログはD1データベースに記録
## 次のタスク
- [ ] データベーススキーマ設計
- [ ] 記事管理APIの実装
- [ ] はてなブログ連携の準備
ステップ2: AI Driveに保存
私:「この作業記録を/ジェンスパーク(Genspark)開発奮闘記/02_作業記録/2025-12-05.mdに保存してください」
ジェンスパーク:「保存しました」
私(必ず確認):「保存されたファイルの内容を表示して、正しく保存されているか確認してください」
「保存しました」という報告を鵜呑みにせず、必ず内容を確認してください。前述のとおり、ジェンスパークは「保存したつもり」になっていることがあります。
フォルダ構成の重要性
整理されたフォルダ構成で、チャット画面が変わっても迷わない:
/プロジェクト名/
├── 00_AI指示書.md # いつでも読み返せる基本方針
├── 01_設計資料/
│ ├── クイックリファレンス.md # 忘れても思い出せる要点
│ └── 技術仕様書.md
├── 02_作業記録/
│ ├── 2025-12-03.md # 日付ごとの詳細記録
│ ├── 2025-12-04.md
│ └── 2025-12-05.md
├── 03_コードスニペット/
│ ├── oauth-implementation.ts # 重要なコード片
│ └── database-schema.sql
└── 04_トラブルシューティング/
├── 解決済み問題.md # 同じ問題の再発防止
└── 未解決問題.md
チャット画面移行時の環境再現方法
ジェンスパーク(Genspark)が固まったら、新しいチャット画面に移行します。その際の手順:
環境再現テンプレート
以下のファイルを読み込んで、プロジェクトの状態を把握してください:
1. プロジェクト概要
- /プロジェクト名/00_AI指示書.md
- /プロジェクト名/01_設計資料/クイックリファレンス.md
2. 最新の作業状況
- /プロジェクト名/02_作業記録/2025-12-05.md
3. 現在の課題
- /プロジェクト名/04_トラブルシューティング/未解決問題.md
読み込み完了後、以下を要約してください:
- プロジェクトの目的と現在の進捗
- 最後に完了したタスク
- 次に取り組むべきタスク
- 現在抱えている課題
このテンプレートを使えば、5分以内に新しいAIが状況を把握できます。
予防措置:固まりにくい使い方
1. チャット履歴を定期的にリセット
- 1日〜3日おきに新しいチャット画面へ
- 長時間(4時間以上)の連続使用を避ける
2. 複雑な依頼は分割する
❌ 悪い例:「Twitter API連携を実装し、データベース設計をして、UIも作成し、テストコードも書いてください」
✅ 良い例:「まずTwitter API連携のコードを実装してください。完了したら次のステップに進みます」
3. エラーが出たら早めに切り替え
- 3回同じエラーが出たら、チャット画面を変更
- 無理に同じ画面で解決しようとしない
4. ピーク時間を避ける
- 日本時間の夜間や週末はサーバー混雑の可能性
- 可能なら午前中や平日昼間に作業
緊急時の対応マニュアル
ジェンスパーク(Genspark)が固まった時の対応フロー:
緊急対応チェックリスト
【ステップ1】 落ち着いて状況確認
- □ 何分経過しているか確認(5分以上ならフリーズ確定)
- □ 最後に保存したのはいつか思い出す
【ステップ2】 現在の内容を保存(可能なら)
- □ チャット画面のテキストをコピー
- □ ローカルのメモ帳などに一時保存
【ステップ3】 新しいチャット画面に移行
- □ 新しいタブで新規チャット開始
- □ 環境再現テンプレートを実行
【ステップ4】 失った内容を再現
- □ AI Driveから最新の作業記録を読み込む
- □ 必要なら前回の続きから作業再開
【ステップ5】 今後の対策
- □ 保存頻度を増やす(30分に1回など)
- □ 作業記録テンプレートを見直す
まとめ:AIは便利だが、脆弱でもある
- ジェンスパーク(Genspark)のチャットは予告なく固まる・消える - これは「もしも」ではなく「いつか必ず」起こる
- AI Driveへの定期保存が命綱 - 重要な作業は30分〜1時間ごとに保存、作業記録テンプレートを活用
- 整理されたフォルダ構成で迷わない - 日付ごとの作業記録、いつでも参照できるクイックリファレンス
- 環境再現テンプレートを用意 - 新しいチャットで5分で復帰、プロジェクトの継続性を保証
- 予防措置が最善策 - チャット画面の定期的な切り替え、複雑な依頼は分割、エラーが続いたら早めに移行
一般的に言えるのは、AI Driveを活用した「こまめな保存」こそが、最も確実なリスク対策だということです。
「面倒くさい」と思うかもしれませんが、一度大きなデータ消失を経験すると、その重要性が身に染みて分かります。
次回は「ジェンスパークで開発する際の手順」というテーマで、構想から仕様書管理まで、実践的なワークフローをご紹介します。